中小企業の会社員とその家族ら約3500万人が加入する協会けんぽは15日、2011年度の保険料率が現行の標準報酬月額の9.34% (全国平均)から9.57%に上がるとの試算を示した。年収380万円の会社員の場合、保険料負担は年間で約4300円増える計算だ。保険料は労使折半の ため、事業主の負担も同額膨らむ。
協会けんぽの事務局が同日開いた運営委員会に試算を示した。加入者の賃金は減少傾向にあり、高齢化の影響で医療費の支出も増える見通し。協 会けんぽは保険料率を引き上げて保険料収入を確保する必要があると判断している。来年1月に開く運営委員会で、引き上げを正式に決める見通しだ。来年4月 から保険料率が上がりそうだ。
保険料率は加入者の医療費などに応じて都道府県ごとに異なり、現在は9.26~9.42%となっている。来年度は9.46~9.67%程度に上昇し、地域差が広がる可能性がある。
厚生労働省は70~74歳の患者の病院での窓口負担を原則1割に特例で引き下げている。また出産育児一時金を38万円から42万円に増やし ている。今年度いっぱいでこれらの措置をやめた場合、協会けんぽの財政負担は軽くなり、来年度の平均保険料率は9.53%にとどまるとみている。